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スペイン巡礼紀行文(2018年5月29日)

5月29日 Lavacolla/Santiago 10km 20000歩

 今朝、ガリシア地方特有の雨が降っていたのだが、私が午前7時にアルベルゲを去る時にはほとんどの巡礼者は出発していた。その時、なぜだか分からなかった。

 道中、同じアルベルゲで宿泊していた韓国人男性2人組のチョウとソンが追い付いて来ると、チョーが「韓国人女性は肉体的にも精神的にも強くアズマと呼ばれている。私にアズマを紹介するので、代わりに日本人女性を紹介しろ。世界の平和のためには相互理解が必要だ」などとアホな話をしてきた。58歳のチョーはシンガポールの韓国系企業に勤務しているので、流暢な英語を話せた。

 今日歩く距離は10kmに過ぎないので2時間で到着するはずだ。心が躍りつい早歩きとなる。そして、旧市街に入って大聖堂を目指し、午前9時過ぎについに目的地に到着した。

 大聖堂は一部工事中だったが、ゴシック様式の尖塔を天に向けて突き出していて堂々としている。我々巡礼者を温かく迎えてくれていると思った。

 ここまで900km近くも歩いてきたのだ。今まで会ったフレンドリーな巡礼者や親切な地元の人々のことが思い出され、胸が熱くなった。ついにやって来たのだ。それにしても、大聖堂前の広場には巡礼者が少ない。

 韓国人2人組と慌ただしく記念撮影を撮ると、巡礼事務所に巡礼証明書をもらいに向かった。長蛇の列ができていた。多くの巡礼者が早朝早く出かけた理由が分かった。巡礼者は大聖堂の前での記念撮影もそこそこに巡礼事務所にやって来ているのだった。結局、2時間も待って、やっと巡礼証明書と距離証明書をゲットできたのだった。「2時間立っているより2時間歩いたほうが遥かに楽だ」と巡礼者は口々に言い合った。

 正午から始まった巡礼者祝福のミサは実に厳粛なものだった。さすがに、サンティアゴはバチカン、エルサレムに次ぐカソリック第3の聖地だけのことはある。昨年7月出席した際には、私語が多く余りいい印象を抱いていなかったが、今年は違っていた。

 巡礼者の出身国が紹介された際に、私はハポン(日本)と発音されるのを聞き逃さなかった。やはり、私は実際に遥かな距離を歩き、様々な出会いを経験し、確かにここにいるのだ。映画や夢ではないのだ。

 ミサに出席すると、正直言っていつも居心地の悪さを感じる。私が異教徒であるのが主な理由なのだが、神様が大聖堂の上から我々を見下ろしているように思える。神様は存在しないなどと言おうものなら、バチが当たるようにも感じる。期待していたボタフメイロのスウィングは見られなかった。

 ミサが終わると、5つ星ホテルのパラドールにチェックインし、昼食に向かった。上品なレストランに入ると、以前会ったスペイン人女性とメキシコ人男性に遭遇した。お互いにハグをして健闘を称え会った。仲間に出会えると、やはり元気がでる。

 スペイン女性が私のほうを指して「彼は1泊200ユーロ(実際は250ユーロだが)もするパラドールに泊まっている」とスペイン人女性が言うと、メキシコ人男性は「その額は私の1週間分の予算だ」と言って目が点になった。やはり、パラドールのことは黙っておくべきだったか。

 巡礼者メニューを食べ終えて、大聖堂の前の広場に戻ると、今度は若いドイツ人女性2人組に会った。記念撮影をした。タニヤと同伴の友人だ。彼女達とは同じ日にイルンを出発し、同じ日にサンティアゴに到着したことになる。親しみが深まった。