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船出浮き

 地元八代に「船出浮き」という漁師によるイベントがある。小さい漁船を少人数で貸し切って、八代海(不知火海とも呼ぶ)に出航し、前日に仕掛けた網にかかった渡り蟹を引き挙げるのである。観光客は見ているだけなのだが、どれだけ大きい蟹がかかっているかと胸を膨らませるだけでも楽しい。

 そのあと、八代海に浮かぶ無人島に上陸し、漁師さんが作ってくれている料理を召し上がることになる。魚づくしだ。
 ヒラメの刺身、茹でた渡り蟹、イカの姿焼き、魚肉のハンバーガー、イカ飯、煮魚、南蛮漬け、エビの塩焼き、エビ天ぷら、エビの味噌汁などが出された。定員5名では到底食べられない。15人前にくらいあるほど大量の料理だ。
 網で獲れた渡り蟹やヒラメも持参した保冷パックに入れていただいた。当然、持ち帰りになるのだが、自宅で毎食茹でた渡り蟹を食べても2、3日かかった。私は蟹が大好物なのだが、食べ過ぎてお腹を壊しても、食べ続けたのだから我ながら呆れてしまう。

 持ち帰った食べきれそうもない魚料理は近所にお裾分けすることにした。すると、各家からお返しとして、苦瓜、スイカ、キュウリ、カボチャ、お菓子などをいただいた。魚介類が野菜に化けてしまった格好になる。まさに、物々交換だ。原始的な経済活動なのだが、なんだかほのぼのとして嬉しい。

 田舎の生活は近所との物々交換が楽しみの一つである。モノを交換しつつ、気持ちや配慮も交換していることになる。匿名性の人間関係の都会では味わえないものだ。

 また、来年も船出浮きに出かけたい。

(2017年9月21日、寺岡伸章)
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