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豊かな視点

 自宅の庭の植木の剪定作業は思いのほか面白かった。大げさに言えば、自然を利用した芸術作品を作っているように感じた。次回の今秋には工夫をしてうまく剪定をやってみたいと思っている。

 自宅はブロック塀で囲まれているが、熊本地震の影響のためと思うがブロックがところどころセメントが剥げて手で持ち上げられるようになっている。接着剤役のセメントが用を足さなくなったのであろう。そのまま放置しておくと、崩れ落ちたりして人に害を及ぼす恐れがある。雨が上がった日を見計らって、セメントを使って補強することに決めた。

 幸い小屋にセメントの袋が残されていたので、それに水を加えてシャーベット状にしてブロックの接着材として使ってみた。経験がないので、勘を頼りにやるしかない。土いじりは子どものころにして以来だが、そのころの経験を元にセメントも同じようなものと割り切ってやるしかない。応急処置として間に合えばよい。

 家屋をリフォームした後で、苔が生え脆くなったコンクリート塀は作り直さないといけないと思っている。コンクリは冷たい感じを与え、生垣の方が温かみがあっていいのだが、維持管理に手間がかかるので、思案しなければならない。鉄格子の方がいいかもしれない。他の家も見て回り、住んでいる人の人柄が偲ばれる塀にしたいものだ。このような作業はけっして面倒なものではなく、如何に住むかという哲学に関わる問題でもあると思う。楽しい宿題と思って考えていきたい。

 自宅から東側に標高数百メートルのが見えるが、新緑の色が新鮮で輝いている。素晴らしい屏風が立てられているようにも見えないことはない。こんなに美しい故郷の緑を見るのは初めてだ。今日、東京に住んでいて一時帰省している友人と会っておしゃべりをしていたら、彼も同じことを言っていた。新緑が目に眩しいと。
 仕事のために上京し、新しい家庭をそこで作ったが、それで良かったのかどうか分からないとも語っていた。いい仕事を得ることと両親と一緒にずっと生活することのどちらが人生にとって価値のあることなのだろうか。これは個々人に向けられた課題である。

 東京一極集中はお金と名誉をエサに地方から多くの人材を引き抜いた結果である。成功を獲得した者は少ないと思うが、ほとんどの人は故郷を捨てて心底でどのように感じているのだろうか。故郷は遠くにいて想うだけで済むことなのだろうか。地方を過疎地帯にし、日本の活力を削ぐような政策はなぜ正当化され、是正されないのだろうか。東京生活は面白いと言うが、その実態はよく吟味された結果なのであろうか。

 故郷は懐かしいのみならず、美しい。もっと愛すれば、もっと輝いて見える。田舎には何もないとうそぶいているのは、想像力のなさを露呈しているようなものだ。けっして口にしてはいけない。見る角度を変えれば、故郷も田舎も違ったように見えてくる。東京も砂漠に感じられることがあるのはわたしだけではあるまい。感受性を大切にしたいものである。

(2017年4月27日、寺岡伸章)
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