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肌年齢

 熊本城マラソン大会の前日、会場の花畑公園にゼッケンを受け取りに行った際、第一生命のブースでお肌年齢を計測をしてもらう機会があった。頬と掌をセンサーに当て、10秒ほどで結果が分かる。係の人の話では、肌表面の水分量や電導度で肌の若さを測定するという。肌の年齢は加齢とともに、緩やかなカーブを描いて衰えていく。平均的な計測値と年齢の相関のグラフは実測値をベースに完成しているので、被験者の計測値が得られれば、その人のお肌年齢が分かるという仕組みだ。

 列に並んで15分くらいだ過ぎた。二人前の女性はお肌年齢は50歳と計測器がはじき出した。でも、50歳よりは若く見える。本人はショックだったのだろうか、うつむき加減に会場を後にして行った。
 わたしの前の男性のお肌年齢は65歳と判断された。この男性も65歳よりもずいぶん若そうに見える。わたしは結果を恐れ、たじろぎ、その場から消え去りたかった。でも、そんな気持ちを隠すように、
「わたしのお肌年齢は100歳くらいかな」と独り言を言った。
「そんなことはないですよ。でも、この機械は実際よりも厳し過ぎる値が出るようなんです」と係の女性は慰めるように言った。
「手心を加えて、被験者が喜ぶような値を出さないと、第一生命の保険が売れませんよ」とわたしは強がりを言ったが、それには返答がなかった。

 測定の前に、年齢、身長、体重、運動頻度などの情報を入力する。それが終わると、左右の頬と掌の4カ所に金属センサーを当てて測定をするのだ。グラフが少しずつ描き出されていく。ドキドキする。
「いい結果かもしれませんね」係の女性の明るい声が飛び出す。それから、細長い紙が印刷されるのだ。女性はそれをちぎり取ると、
「凄い! A判定ですよ」と大きな声を出す。
 わたしは測定値の紙を受け取った、年齢よりも11歳も若い結果だ。心が跳ね上がった。思わず、
「第一生命に鞍替えしようかな」という軽口も飛び出す。
 わたしは年甲斐も無く、浮き浮きした気分でその場を離れた。

 お肌の大敵は紫外線と乾燥だと言われる。でも、屋外での活動が多い割には、紫外線対策はまったくやっていない(お陰でシミが増えた)し、化粧水を塗るなどの乾燥対策も皆無だ。それにもかかわらず、今回好成績が得られた理由はよく分からないが、よく運動をしているため代謝年齢が若いからではないだろうか。
 精神年齢はもっと若い(バカい)が、今回は測定対象外である。心の若さを測定する装置があってもよいと思う。身体の若さを左右するのは難しいが、心を操作する方が優しいかも知れない。
 自然や芸術を愛し感性を磨くこと、人の良い面を観察し褒めてあげること、そして努力を怠らず他人と比較せず誇りを持って生きること。これらが心の若さを決定つけているような気がする。
 そして、おそらく、お肌と心の年齢には強い相関関係があるのだろう。病気は気からと言うが、お肌年齢も気持ちからだ。厚く上塗りしても実態を覆い隠すことはできない。

 若いお肌年齢の測定結果のお陰で心も軽くなり、翌日のマラソンも気持ちよく走ることができた。長距離走もやはり心の状態が大切なのだ。

(2017年2月21日、寺岡伸章)
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