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GDP27位の国

 東芝は解体的危機に瀕している。米の原子力事業会社買収はまったく間違った判断であった。7千億円規模の欠損を記録し、その重みのため債務超過になった可能性が高い。倒産だ。経営者はいったい何をしていたのだろうか。原子力ルネッサンスという言葉に惑わされたのか、買収先の経理情報が隠蔽されていたのか。それにしても、それを見破れなかった経営者責任は負うべきである。
 かつて日本型経営は長期的視点で投資を行う、株主でなく従業員やクライアントや取引先を大切にするなど好意的に評価されてきたが、雲行きは怪しい。三菱自動車、シャープ、三洋など経営が破綻し、外資に買収されているのではないか。もの作り日本の敗北であるが、大方の日本人はそれを認めようとしていない。

 日本のGDP規模は世界3位だが、一人当たりのGDPは世界27位(2014年)まで転落した。4万ドルを切る直前にある。シンガポールにははるかに及ばず、香港にも抜かれている。28位はイタリア、29位はスペイン、30位は韓国が迫っている。もはや経済は一流とはとても言えない。少子高齢化と格差拡大の厚い雲が日本を暗くしているが、国民は政府に対してデモを起こすでもなく静かにしている。自宅に引きこもり、自然死を待っているのだろうか。

 国力が衰えているこんな状態で科学技術力が維持できるはずがない。もはや博士号を取得できる層は金持ちの師弟になっている。普通のサラリーマンは子どもを28歳まで養えるお金がないし、国の支援も貧弱である。お隣の中国ではまだ貧乏な子どもでも優秀であれば、学者になる夢が叶えられるのだ。教育は国家百年の計と言うが、為政者の眼力が異なるようだ。

 マスメディアにも危機感がない。日本人は凄いぞという番組を垂れ流したり、魅力的な国ニッポンに外国人が押し寄せているニュースばかりだ。国民全体が国力の低下から目をそらしているのはわたしの偏見なのだろうか。負の側面を見せない国家レベルの情報統制が行われているのではないかと疑ってしまう。大陸の国を嗤う資格はないのだ。

 今年はスペイン巡礼で40日間以上を過ごす予定だ。物価は安いと聞いていたが、数年後には円がもっと安くなり、スペイン貧乏旅行はできなくなるかもしれない。
 16年前にバンコクに駐在していときには、老後はチェンマイに別荘を購入し、毎日ゴルフをやりたいと夢を描いていたが、今では日本の田舎の方が安い。4000円以内で1ラウンドできるコースも多々あるが、団塊の世代がゴルフを引退する数年後にはもっと価格は下がるだろう。タイ移住の夢はあっけなく消えた。ゴルフ場は大方外資に買収されているが、日本の田舎が一番だ。

 人口が減少し、平均年齢が上がる状況下で、国力を上昇させる妙案はない。政策ではどうにもなりそうもない。
 GDPは低くても、豊かな社会を目指すしかない。お金のかからない心が豊かに感じる活動を増やしていこう。発想を変えて、貨幣を使わないようにしよう。家庭の外へのアウトソーシングをやめるのだ 。
 お祭りに参加しよう、地方の歴史を勉強しよう、天気の良い日にはハイキングに行こう、絵を描いたり音楽を演奏したりしよう、仲間が集まって野外で料理をして笑顔で飲食しよう、早朝に散歩しラジオ体操をやろう、貧しい家庭の子どもには勉強を教えてあげよう、家庭菜園で余ったものは近所にお裾分けしよう、環境保護活動に参加しよう、無料の講演会に行って勉強しよう、防犯や防災も自分たちでやろう、毎朝笑顔で挨拶しよう。
 そうやればお金はなくても、楽しい人生を送れるはずだ。

 今までの価値観とやり方を捨てなければ、未来はやって来ない。

(2017年2月15日、寺岡伸章)
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