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モーニングコート

 モーニングコートをウィキペディアで調べると、乗馬用に前裾を大きく斜めに切った形状(カットアウェイ)で、18世紀のイギリス貴族の乗馬服に由来する。貴族が朝の日課である乗馬の後、そのまま宮廷に上がれるようにとのことから礼服化して、19世紀には公式な場でも現在の背広の様に着用されるようになった。コートユニフォーム(日本の大礼服に相当する宮廷服)やフロックコートが廃れて行くに従い、昼間の最上級礼装とされるようになった。
 日本では、内閣総理大臣・最高裁判所長官の親任式、認証官任命式の際や、信任状捧呈式、勲章親授式等で宮中に参内するときなどに使用される。ただし、昼間においても特別な盛儀の場合や、勲章親授式のうち大綬章(大勲位菊花大綬章、桐花大綬章、旭日大綬章、瑞宝大綬章)を授与する場合には、モーニングコートではなく燕尾服が着用されることがある。また逆に、親任式などは、夜間に行われるときもモーニングコートを着用することが慣わしである。その他、結婚式での新郎や新郎新婦の父、卒業式での学校長、各種式典での主催者代表や主賓が着用することもある、とのこと。

 先日、モーニングコートを試着しに行った。大臣に就任するためではなく、新郎の父親としての立場からだ。試着は初めての経験だが、袖を通すとじつに気持ちがよい。鏡に映る自分を見ていると、急に威厳が出てきたように見える。自分でいうのも変だが、馬子にも衣裳とはこのことだと苦笑した。日本の文化である紋付き袴はもっとよく似合うのではないかと思う。モーニングコートはレンタルでもいいが、紋付き袴は着る機会が少なくても自分用のものをいつか買いたいと、夢が膨らむ。人生は年齢とともに楽しいことが減少してくるが、礼服を着用するのも快適な経験の一つに違いない。

 試着を終えた後で、結婚式が行われる予定の教会に打ち合わせのために向かった。ミサにも出席したらと誘われていたので、助言に従った。これも初めての経験だった。ミサは厳かな雰囲気のうちに行われた。讃美歌が美しい。

 ミサの中で、東日本大震災被災者のための祈りが捧げられた。

父である神よ、
すべての人に限りないいつくしみを注いでくださるあなたに、
希望と信頼をこめて祈ります。
東日本大震災によって今もなお苦しい生活を送り、
原発事故によって不安な日々と過ごす人々の心を照らし、
希望を失うことがないよう支えてください。
また、亡くなられた人々には、永遠の安らぎをお与えください。
すべての人の苦しみを担われたキリストが
いつもともにいてくださることを、
わたしたちがあかしできますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

 原発事故という言葉が心を打った。キリスト教はイエスを信じ、貧しい人々や弱い人々に愛を注ぐ宗教である。権威が安全と言っていた原発は大事故を引き起こした。災害を受けた人々は非難を余儀なくされ、生活の場とコミュニティと人生を破壊された。個々人の心に触れると、まったく理不尽な事故だった。
 原子力事故はまだ終わっていない。事故は継続中なのだ。被災者のために祈りたい。苦しみが少しでも軽減しますように。

(2016年9月21日、寺岡伸章)
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