メルマガ登録
 
2017年11月
« 10月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
twitter
facebook

グループシンク

 志が低く、責任感がない。
 自分たちの問題であるにもかかわらず、他人事のようなことばかり言う。
 普段は威張っているのに、困難に遭うと我が身かわいさからすぐ逃げる。
 これが日本の中枢にいる「リーダーたち」だ。
 政治、行政、銀行、大企業、大学、どこにいる「リーダー」も同じである。日本人は全体としては優れているが、大局観をもって「身を賭しても」という真のリーダーがいない。国民にとって、なんと不幸なことかー。
 福島第一原子力発電所事故から5年が過ぎた今、私は、改めてこの思いを強くしている。

 残念ながら日本のエリートは、いざという時に明言を避け、「知らない、忘れた、聞いていない、関与していない」と責任逃れをする人が圧倒的に多い。それが世界にわかってしまったことが、今回の原発事故が日本に与えた一番大きなインパクトの一つだったと思う。
 日本の中枢にいる人たち、ひいては国家の信用そのものが、メルトダウンしているのではないかー。これが日本国民の一番の懸念ではないかと思うのである。

 世界への影響が非常に大きな事故だからこそ、この事故から学び、そこで得た知見を世界と共有し、現在も続く汚染水問題やこれからも起こり得るアクシデントに生かしていく姿勢が重要だ。
 しかし、日本という国には、その姿勢が欠けている。このままでは10年後、20年後の日本はダメになる。いや、すでにダメになっているのかもしれない。原発事故に限らず、日本が再び大きな問題と直面した時に同じような失敗を繰り返し、決定的・不可逆的に国際社会で孤立し、信用をなくしてしまうだろう。
 福島第一原発事故は終わってはいない。この事故を機に変わらなければ、日本の将来は極めて危うい。そのことを、国民ひとり一人に強く意識していただきたいと、熱に願っている。

以上は、黒川清『規制の虜 グループシンクが日本を滅ぼす』(講談社)から引用。