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新薬のスクリーニング

 山中伸弥教授のiPS細胞作製の技術は比較的廉価で国内外150社以上の企業(うち国内約90社)にライセンスされている。できるだけ多くの企業に利用してもらうため、対価は最大でも1000万円を超えないように設定されている。
 普通の細胞に4つの遺伝子を挿入するだけで初期化できるようになった業績で、山中教授はノーベル賞に輝いたのだが、今では改良が進んで、血液から30分あまりで数十パーセントの効率で万能細胞を作製できるまでになった。
 それらの細胞は再生医療に使用されるのが脚光を浴びているが、1回の遺伝病の治療に2000万円もの費用がかかる。手術は30分で済むため、費用はあまりかからないが、万能細胞作製や培地など周辺の費用がかなりかかっているのが実情だ。この金額を個人で負担するのは不可能なため、支援者の協力や病院側の都合で治療費が支払われているが、治療費が安くなり、多くの人々が恩恵を被られるようになってもらいたい。

 じつは、iPS細胞が活躍しているのは新薬のスクリーニングである。心毒性や肝毒性をクリアしなければならないが、5分の4の候補薬はこの段階で引っ掛かる。肝細胞は100%海外から輸入されているため、それがストップされれば、日本の製薬会社は困ってしまう。そこで、iPS細胞から心臓や肝臓の細胞を誘導し、それを使ってスクリーニングをしようというわけだ。
 米国は新鮮な心臓や肝臓を得る仕組みが確立されているため、わざわざiPS細胞に頼る必要はないとも言われる。
 4つの遺伝子から誘導される万能細胞であるiPS細胞の性能を上回るものはまだ開発されていないため、iPS細胞市場では日本は実質的に独壇場である。iPS細胞の安全性が保証され、もっと多くの患者さんが救済されるとともに、iPS細胞が新しい市場を開拓することを願う。
 メードインジャパンの技術を大切に育てていきたいものだ。

(2015年10月20日、寺岡伸章)
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