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Daily Archives: 2018年6月24日

スペイン巡礼紀行文(2018年5月18日)

5月18日 Muros de Nalon/Soto de Luina 15km 30000歩

 昨日のアルベルゲに泊まったのは、英国人女性のジョアンと自転車で巡礼しているスペイン人男性と私の3人だけだった。3部屋を3人でそれぞれ1部屋を独占したことになる。私は9時間も寝た。
 スペイン人男性は体格もよく、映画の男爵役も務まりそうな雰囲気を持っていた。正に紳士だ。英国人淑女とスペイン人紳士と私の3人。組み合わせも悪くない。
 ロンドンに住んでいるというジョアンは、ロンドンの自分とカミーノの自分は別人だという。ロンドンでは、忙しすぎて心を開けないと嘆く。あるべき自分を取り戻すためにカミーノに来ているようだった。
 このアルベルゲは2週間前にオープンしたばかりで、私は日本人の2番目のようだ。
100m離れたアルベルゲはガイドブックに紹介させていることもあり、15人くらい滞在したようだ。しかも高い。ガイドブックに従って歩いている巡礼はまだ多いが、最新情報の掲載されているホームページにアクセスしながら歩いている者も少なくはない。
 アルベルゲは時折、開門まで待たされることがあるが、今日のアルベルゲは24時間オープンなのが嬉しい。細かい配慮が行き届いていて快適だった。
 名前は、ALBELGUE LA NARANJA PEREGRINA だ。多くの巡礼者に泊まってもらいたい。
 私は「夜中にトイレに行くために二、三度起きる」とジョアンに言うと、「音を立てると、他の者が目が覚める恐れがあるので、小のときは水を流さないで欲しい」と言われたので、その通りにした。アルベルゲの壁は薄いので、次からもそうしたい。
 翌日になると、ジョアンが寄附額をいくら払ったかと聞いてくる。プライベートなことなので答えを躊躇したが正直に答えた。彼女の額のほうが高かった。なぜ聞いてきたのかいまいち状況が読めないが、寄附額もそれなりにデリケートな問題でもあるようだ。ジョアンのような淑女に見える者でもやはりおカネにこだわっているのだろうか。

 男性のオスピタレーロとの別れ際に、日本カミーノ友好協会のバッジを渡すと、大変喜んでくれてバグを求めてきた。さらに、お返しにサンティアゴの貝をあしらったバッジをくれた。彼が英語がもっと話せると、よかったのにと残念だった。

 今日は道中ほとんど1人だった。会ったのは、英国人とカナダ人の男性2人組、若者3人組、そして英語を話さないドイツ人女性の6人だけだった。

 途中、黄色の矢印がなくなり、逆向きに変わっていた。引き返せという意味だが、アプリMAP.MEでチェックすると、基本的な方向は間違っていない。道も広く、天候の良く、時間もまだ早いので、そのまま山道沿いに山越えをすることにした。途中引き返そうかと何度も思ったが、頑固にも前進することにした。でも、ずいぶん遠廻りしたように思う。

 ぬかるみや渓流のなかを歩きながらも、やっと舗装道路に出ると安心した。目的の村も目の前に見える。成り行きで右に曲がった。すると、番犬にひどく吠えられ、驚いた家人が出てきて私を見ると、この山から降りて来たのかと呆れた顔をして、「そっちの方向は行き止まりだ」とT字をしながらスペイン語でまくし上げられた。イヌに吠えられずそのまま先に歩いていたら、川底にまで達していたに違いない。
 指示された方向にしばらく歩いていくと、正しい巡礼道に戻った。すると、今朝少し一緒に歩いていたカナダ人男性と偶然巡り会い、安堵した。
 昨日も似たようなことがあったが、また小さい奇跡が起きたと思った。まだ、神様に守られているようだ。やはり、異国では無理をせずに、素直に黄色の矢印に従うべきだと思った。3度目はきっとひどい目に合うに違いない。

スペイン巡礼紀行文(2018年5月17日)

5月17日 Aviles/Muros de Nalon 24km 34000歩

 毎日FBに掲載しているこの紀行文はカミーノで友達になった外国人巡礼者たちも読んでいるのだが、まだ翻訳機械の能力が高くないので、ときどき誤読されているようだ。すでに帰国したオランダ人のロブは私が原始の道で怪我をしたと勘違いし、確認のメールを送ってきた。「米国人が原始の道で転んで怪我をして帰国を余儀なくされた」と書いたのだが、主語を間違ったらしい。日本語は主語を省略することが多いので、機械は文脈から主語を確定しなければならないのだが、それがまだ難しいらしい。しかし、今後人工知能が急速に発展するので、近い将来満足できるレベルになると思う。もう少しの我慢だ。

 

 昨夜は狭い部屋に30人くらい寝ていたが、ある巡礼者が夜中ずっと咳をしていたので、睡眠不足の巡礼者が続出した。今朝はその話題でもっぱらだった。私は気が付いていたが、いつの間にか寝入ってしまっていた。
 今日は休養日と決め、アルベルゲのオスピタレーロに近くに手ごろのオスタルがないかと相談したところ、「ここでもう1泊してもいいぞ。8人部屋を私のために使わせてやる」という信じがたい提案があった。さらに、宿泊代も同じ6ユーロでいいという。
 一方で、2日ぶりに会ったオランダ人のボスから「5km先の海岸に接している街にオスタルがあるぞ」と聞かされ、迷った末に、せっかく再会したのだからおしゃべりしながら5kmくらい歩こうと思いボスに同行することにした。
 ところが、経由するはずだったその街を迂回するように、サンティアゴに向かう黄色の矢印は標されていた。
 その後も適当な宿泊所がなく、結局24kmの34000歩も進んでしまった。神様はなかなか私を休ませてくれないようだ。明日こそ、距離を短くして疲れを取るぞ。

 道中会った19歳のドイツ人はイルンからここまでわずか2週間で来たという。私は3週間かかっているので、すごいスピードだと思う。毎日50km程度歩いていることになる。彼は高校を卒業後就職するが、その合間にカミーノにやって来たと言っていた。

 少し日本語が話せるメキシコ人にも会った。学校で学んだという。日本語を話すのは3週間ぶりのことだった。

 今日一緒に歩いたオランダ人、ドイツ人、ベルギー人の3人は同じオスタルに泊まるようで、私も同行しないかと誘われたが断った。理由は私にもよく分からないが、何だか気が進まなかった。別の出会いを求めていたかも知れない。カミーノでは、直感を大切にしたい。
 ベルギー人の身長が2m以上もある。一緒に歩いていると、まるで親子だ。右向こうに海が見えると、彼らは言い合っているが、私には見えない。small Japaneseと笑われてしまった。オランダ人のボスとはハグをして別れた。彼はもうすぐカミーノを終えて帰国し、職場に復帰するので、これが最後の別れになるだろう。気が利いて、冗談も解するいい奴だった。
 彼らと別れて、次の村で見つけたアルベルゲに入り込んだ。ガイドブックに掲載された名前とは異なっていたが、余り気にしなかった。宿泊代は寄附制で、明日チェックアウトするとき、評価表とともに封筒に入れて提出することになっている。極めて先進的なアルベルゲだ。

 後程やってきた英国人女性のジョアンの話では、オープンしたばかりのアルベルゲとのことだ。どうやら予定していたアルベルゲとは違うところにチェックインしたようだ。昨夜はイビキと咳で睡眠不足だったが、今夜はガラガラの部屋で良く眠られそうだとお互いに言い合った。
 ジョアンは北の道を2つに分けて、今回は後半をサンタンデールから歩き始めたという。彼女は英国人淑女の雰囲気を持っているが、この厳しいカミーノ道を歩いているのが似合わない。いままで、この体格と脚力でサンティアゴまでの長距離を歩けるのだろうかと思わせる巡礼者を数人見かけたが、それぞれの理由があるのだろう。暖かく見守るしかない。ジョアンに記念に顔写真を撮っていいかと聞くと、サングラスをかけて写真に収まってくれた。プライバシーを厳格に守りたいようだった。