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今週のメッセージ

今だけカネだけ自分だけ

 若い親による子殺しの報道が増えているように思える。悲惨で心が痛む。そのようなニュースがTVで流される度に、スイッチを消してしまいたい。可愛いはずの我が子を殺害するとはどういうことだろうか。しかも、父親でない男性と共謀して、幼子を殺害するというのだから、殺された子どもにとって居たたまれない悲しさだ。邪魔になった赤ん坊を消してしまうのだ。同棲中の男性にとっては、我が子ではないため、愛情がまったく湧かなかったのだろう。やりきれない。「今だけカネだけ自分だけ」の言葉が浮かぶ。

 日銀はデフレから脱却するために、金融緩和策を打ち出しているが効果がないため、ついに未知数のマイナス金利を行った。でも、成長路線に乗る気配はない。総裁は就任当初、2年で物価上昇2%を実現すると豪語していたが、目標は事後送りとなり、本人は一向に責任をとって辞める気はなさそうだ。「今だけカネだけ自分だけ」の言葉が浮かぶ。

 原発がないと日本中が停電になると電力会社も学者も自信を持って言い張っていたが、東電福島原発事故で原発がすべて停止されても、停電は起こらなかった。今度は廉価な電気を発生させる原発を再稼働させず、高価な原油やLNGを海外から購入していると、日本経済の競争力が落ちてしまうと言い直したが、そうなる気配はない。福島の事故処理は40年で完成させると言っていたが、それは絶望的になってきた。チェルノブイリのように石棺するしかないと言い出したが、住民の猛烈な反対がでると、従来の方針通り更地にすると繕う。でも誰も信じていない。「今だけカネだけ自分だけ」の言葉が浮かぶ。

 米国民は民主主義と選挙は絶対善だといつも主張している。大統領候補のトランプ氏は選挙戦で選挙民受けする過激なことばかり言い、メディアも当選するはずはないが面白いと盛んに報道していた。トランプ氏が予想を覆して大統領選に勝利すると、メディアもトランプ氏も豹変してしまった。選挙公約なんてこの民主国では機能していないことが明らかとなった。政治素人のトランプ氏にとっては勝てば官軍なのだろうが、これから何を目指して政治を行っていくのだろうか。「今だけカネだけ自分だけ」の言葉が浮かぶ。

「今だけカネだけ自分だけ」の行動原理で生きる人が世の中を動かしている。それをみた大衆や子ども達も「今だけカネだけ自分だけ」を信条に社会を突き動かしていくだろう。独裁者が生まれ、育つ素地ができた。恐ろしい世の中がやってくるかもしれない。

 長期的視点で、お金よりも大切なものを持ち、みんなと分かち合う心で生きていきたい。

(2016年11月25日、寺岡伸章)
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他人の日常

 SNSは世界中の誰とでも友達になれるツールとしてもてはやされている。ITは地球上の人々をネットで繋ぐまで進化したのだ。先端技術は素晴らしい世界を生み出したではないか。世界をワクワク、楽しいところに変えたのではないか。凄いことだ。と誰でも思うかもしれないが、そのような時代の波についていけない人もいる。わたしもそのような人物の一人だと思う。なぜそうまでして急ぐのだろうか。みんなどこに行こうとしているのだろうか。そこは本当に楽しいところなのだろうか。

「自分の水曜日の出来事」を手紙に書いて送ると、「誰かの水曜日」が代わりに届く、世界で唯一の郵便局が熊本県の港町にある。津奈木町にある「赤崎水曜日郵便局」である。
 わたしは、今まで5通の手紙を書き、5通の返事をいただいた。自分で書いたものはどう評価していいか分からないが、受け取った「水曜日の物語」にはその人の人生が凝縮されていると思った。何気ない平凡な日常のなかに、その人の楽しみや悲しみが詰めらている。若い娘の心の震えが伝わってくるものもあった。

 KADOKAWA書店がそれらの手紙の中から選抜したものを編集した『赤崎水曜日郵便局』をいう本を出版した。そこにもさまざまな「日常」が綴られている。でも、どれもかけがえのない水曜日の平凡な出来事である。人生が劇的な出来事や勝利の美酒で構成されているわけではない。大半は平凡な日々であったり、努力と汗の結晶の歳月だ。楽は少なく、苦痛と惰性が多いのが人生と言えるだろう。
 そんなところにこそ、人生の真実が潜んでいると分かるようになったのは、わたしが還暦を迎える成熟した年齢になったからであろうか。失敗ばかりしていても、人生は楽しい。成功する奴らなんかいやしないのだから。

 手紙は手書きで書かれている。ワープロで書いて送ってくる人なんていやしない。人は心の底から思う大切なことを表現しようとすると、手書きになってしまうらしい。
 仕事で書く建前のことはワープロの字が向いているのだ。仕事の文章は人生の飾りであり、手紙の文章は心の叫びだ。仕事は外であり、私生活は内である。手紙は人とつながりたいという欲求の現れである。だから、嘘は書けないし、書いたらすぐばれてしまう。

 赤崎水曜日郵便局は1万通の手紙が人々の心を結びつけてきたが、今年の3月でプロジェクトは終了する。宇宙にも、地球にも、人間にも寿命があるように、この素敵な郵便局ももうすぐ閉鎖される。
 さて、わたしはあと何通の手紙を書くことができるのだろうか。そして、まだ知らぬどんな水曜日の物語が手元の届くのだろうか。
 ワクワクドキドキしながら、あと2か月が過ぎるのを待つことになる。大切な歳月をけっして無駄にしたくない。

(2016年2月5月、寺岡伸章)
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死を越える道

永遠なるものを建設すべく身を捧げる事が生死を越える事である。自ら進んで自由に死ぬ事によって死を超越する事の外に、死を越える道は考えられない。

田辺元「歴史的現実」より引用

自分を騙すな

 数年で退職する僕から、今年社会人となった若者への言葉を贈ろう。
〇成功への秘訣は一つ。ハードワークあるのみ。働いて、働いて、働きぬけ。
〇人の悪口を決して言うこと勿れ。本人がいなくても、悪口は必ず、その人も耳に入ると思え。悪口を言われた本人はずっと君の足を引っ張り続ける。せっかく泣けるような努力をしていても、泡と消える。
〇失敗を人や世間のせいにするな。失敗は誰にでもある。それを自分の問題としてしっかり受け止められるかどうかが、君の今後を決める。
〇最後に、これが一番大切だが、自分の価値観をよく知り、心からの叫びに耳を傾けよ。自分をずっと騙し続けることはできない。騙してもいつかはそれがばれて、後悔する。自分を騙すな。世間体を気にするな。

(2014年7月4日、寺岡伸章)
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新人達よ、大いに失敗せよ!

 大学生を卒業したばかりの新人が職場に入ってきた。未来のある彼らは輝いてみえる。初心を忘れずに、いつまでも夢を追いかけ、希望を抱いていて欲しい。高い志を掲げて、いつまでも自己研鑽に励んで欲しい。

 大先輩であるわたしからあなたたちに贈る言葉は、「大いに失敗せよ」ということだ。誰でも失敗は嫌だが、失敗を恐れてチャレンジしなければ、周囲から評価されないし、本人も後悔が残るはずだ。集中するものがなかったり、熱意を注ぎ込めなかったりすれば、時間の無駄となる。時間は限られているのだ。失敗しないことよりも、何もしないことが人間の成長を止めることを知って欲しい。失敗は人間を成長させる苦い良薬だ。

 世界のエリートが集まるハーバード大学やスタンフォード大学の経営大学院で教えることは、先人の成功物語ばかりではない。失敗こそ学ぶべき教材であるのだ。教授らは口を揃える。
「逆境こそ人を奮い立たせる」
「失敗は財産」
「失敗は成功の母」
 考えてみるがよい。偉大な経営者になる人間は必ず、どこかで大きな失敗をし、それをバネに飛躍していったと考えてよい。失敗が大きいほど、人は深く悩むが、そこから学べるものもまた大きい。

 楽な職場環境は生半可な人間しか育てない。日本の大学や会社はいつの間にか、愛情を持って社員を鍛えるということを止めてしまったように見える。本人の自主性を重んじるという思想のもとで、厳しい教育が忘れられてきているように思える。
 リーダーとなるべき人間は鍛えなければならない。知識だけでなく、社会的任務も背負わせなければならない。逃げてはいけない、どんな逆境でも未来はあると教え込まなければならない。
 大きな失敗をした人間は逞しいが、弱い人の気持ちもまた理解できるようになるはずである。

 守りに入れば、必ず後悔する。
 新人よ、みんなの前で叱られ、恥をかいても、歯を食いしばって頑張れ。職場の先輩方は、君がその苦境を乗り越え、成長することを暖かく見守っているのだ。

(2014年4月1日、寺岡伸章)
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第二の敗戦

 ジャーナリストの船橋洋一氏は、著書『原発敗戦』のなかで以下のように書いている。

 日本の国家と社会と組織は、リスク、ガバナンス、リーダーシップの課題をまともに見据えてこなかったし、それらに正面から取り組んでこなかった。
〇絶対安全神話に見られるリスクのタブー視化。年次主義の昇進システムと定期的人事異動故のタフな決定の先送り(リスク回避)。
〇縦割り、たこつぼ、縄張り争いに足を引っ張られ、「政府一丸」となって取り組めない官僚政治の弊(ヨコのガバナンスの欠如)。
〇権限と責任を明確にせず、指揮命令系統をつくれないライン・オーソリティーの未確立(タテのガバナンスの欠如)。
〇明確な優先順位を定めない「非決定の構図」と「両論併記」の意思決定方式(リーダーシップの欠如)。
〇危機の時に「国民一丸」となって取り組む「大きな政治」の不在(リーダーシップの欠如)。
〇速やかに損切りし、失敗を失敗として受け入れ、そこから立ち上がるレジリエンス(回復)戦略の不在(リーダーシップの欠如)。
 日本は、再び、負けたのではないか。
 福島原発事故は日本の「第二の敗戦」だった。

 なぜか福島事故の非常事態に国家が機能しなかったのかの検証は行われていない。次の危機が日本を襲う時、日本は確実に滅びると思う。今度は神のご加護はないからだ。
(2014年2月22日、寺岡伸章)
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